「うざい」から「すてき」へ~成熟の3段階
最近、「おじさん」がどう見られているかを真剣に考えるようになった。
多くのおじさんは「うざいおじさん」から一気に「すてきなおじさん」へとジャンプアップしようとする。
そもそも自分自身が「うざいおじさん」という評価を受けているにもかかわらず、その認識がない者がほとんどであることが問題なのだが。
しかし現実には、近道など存在しない。
まずは「うざい」から「普通」になること。
そして、その状態を維持すること。
実はそれこそが、最も難しく、最も尊い努力なのだ。
「おじさん」はなぜ嫌われるのか
我々世代(40~50代)から見れば、若い女性社員はみな美しく、魅力的に映る。
話したい、仲良くなりたい、それ自体は人間として自然な欲求だ。
ところが、彼女たちの目から見れば、我々は「ただのおじさん」であり、存在そのものが眼中にないのである。
この現実を受け入れられない者ほど、空回りする。
気を利かせて話しかけ、褒め、笑わせようとするほど、逆効果になる。
なぜなら、若い女性が年上男性に抱く「好意」には明確な種類があるからだ。
若い女性が「すてきなおじさん」へ抱く4つの好意
1.恋愛感情
個人としての魅力に惹かれ、関係を求める感情。
これは最上級の好意であり、成立すれば例外的なケースである。
2.友達感覚
話しやすく、圧を感じない存在としての親しみ。
無害であり、信頼されている証でもある。
3.仕事上の尊敬
能力や判断力、人間性への評価から生まれる信頼。
上司としての「尊敬」は恋愛よりも長持ちする。
4.父性的安心感
守られているような安定感。
性的な要素は無く、純粋な「安全圏」としての好意。
この4つのいずれも、実は「勝ち組」の領域である。
なぜなら、そこには「信頼」や「安心」があるからだ。
1の恋愛感情は最上級だが、父性的安心感、尊敬、友達感覚も十分に価値がある。
若い女性から「安心できるおじさん」と思われることは、現代ではむしろ最高のポジションなのだ。
まずは「普通」でいるという高度な技術
「普通でいる」こと。
簡単に聞こえるが、実は並大抵の精神力では保てない。
話しかけたい衝動を抑え、若い頃の自分を手放し、承認欲求を沈める。
この「何もしない努力」こそ、成熟の証である。
現代の職場では「害がない」という評価こそが最高の褒め言葉だ。
普通のおじさんとは、相手を尊重し、沈黙を恐れず、何も求めず、ただ安心を与える存在。
その静けさこそが信頼の源泉となる。
うざい→普通→すてき の3段階
1.うざいおじさん
自己中心・過干渉・若さへの執着。
印象を残そうとする努力が裏目に出る。
2.普通のおじさん
承認欲を制御し、距離を尊重する。
目立たず、穏やかに、淡々と。
「害がない」という最高の立ち位置
3.すてきなおじさん
信頼され、安心を与える存在。
「普通のおじさん」としての地位を確立できた者だけが到達できる領域。
そしてこの「すてき」にも、実は4つの段階がある。
「すてきなおじさん」の4分類
- 恋愛的すてき:異性として魅力を感じさせる。極めて稀で、偶然と相性の産物。
- 友達的すてき:気楽に話せて、心の距離が近い。人間力と安定感の証。
- 尊敬的すてき:職業人として一目置かれる。努力と誠実さの結晶。
- 父性的すてき:安心と癒しを与える。最も信頼が厚く、最も安全な関係性。
恋愛的な「すてき」は華やかだが、長続きしない。
真の勝者は、尊敬・友達・父性の領域で信頼されるおじさんである。
そこには下心がなく、純粋な安心がある。
その位置に立てる人はほんの一握り。
つまり「普通のおじさん」を長く続けた者だけが「すてきなおじさん」に進化できるのだ。
執着を捨て静かに立つ
ミドルエイジの男性は、昔の感覚のまま年を重ねてしまう人が多い。
若い頃に通じた「フランクさ」や「距離の詰め方」が、時代とともに「うざさ」や「圧」に変わってしまう。
だが、根底にある衝動はみな同じだ。
それは「認められたい」「安心したい」という、ごく人間的な願いである。
そのことを理解したうえで、自分は「普通のおじさん」として静かに立つ。
無理に若さを演じず、好かれようともせず、ただ穏やかにそこにいる。
それが、職場に平穏をもたらし、最終的に人から「すてきですね」と言われる唯一にして最も確かな道である。